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コラム

STARTO・ヤングコミュニケーションからチケット転売の和解金を請求された方へ──弁護士が対応の選択肢を解説

STARTO・ヤングコミュニケーションからチケット転売の和解金を請求された方へ

2026年3月現在、当事務所にはSTARTO ENTERTAINMENT社(以下「STARTO社」)および株式会社ヤング・コミュニケーション(以下「YC社」)のチケット転売問題に関するご相談が急増しています。

対象となっている公演は、Snow Man Dome Tour 2025-2026 ONをはじめとするSTARTO社所属タレントのコンサートです。弁護士法人東京フレックス法律事務所がYC社の代理人として送付しているものとみられます。

この記事では、こうしたメールを受け取った方に向けて、これまでの経緯と、現時点で取り得る対応の選択肢を整理します。

チケット転売が問題とされる背景

本題に入る前に、なぜチケット転売がこれほど厳しく追及されているのかを理解しておく必要があります。

チケットの転売は、本来そのチケットを購入できたはずの他のファンの機会を奪う行為です。主催者側にとっても、転売対策としての本人確認の強化、チケットの無効化処理、公式リセールサービスの整備など、多大なコストが発生します。

大阪高裁令和6年12月19日判決(USJの転売禁止条項に関する事案)でも、転売禁止には高額転売目的の買い占めを防ぎ、一般の利用者が定価で安定してチケットを購入できる機会を守るという合理性があると認められています。

STARTO社・YC社が大規模な開示請求や訴訟提起に踏み切っている背景には、こうした正当な利益の保護があります。転売行為自体が法的リスクを伴うものであることは、まず認識しておくべきです。

その上で、請求された金額にそのまま応じるべきかどうかは、別途冷静に検討する必要があります。

これまでの経緯

STARTO社・YC社はチケット流通センターの運営会社に対し、STARTO社所属タレントの公演チケットを高額転売目的で出品する人物299件について、発信者情報開示請求を行ったと発表しました。同社の調査によれば、チケット流通センター上にはSTARTO社所属タレントの公演チケットの転売出品が約1万件確認され、なにわ男子のイベントだけでも3,000件以上の転売があったとされています。

2024年11月、YC社はチケット流通センターの運営会社に対し、Snow Manのコンサートチケットを転売出品している16件を対象に情報開示請求を行いました。同運営会社はこれに応じなかったため、同年12月、東京地方裁判所に発信者情報開示命令の申立てが行われました。

2025年2月、STARTO社はチケジャムの運営会社に対し、Snow Manのコンサートチケット転売出品1,589件を対象とする発信者情報開示命令の申立てを行ったと発表しました。

2025年3月、東京地裁は、本人しか利用できないチケットの転売出品がYC社の営業権を侵害するとして、チケット流通センターに対する16件全ての開示命令を発令しました。これはチケット転売出品に関する日本初の司法判断とされています。

2026年3月、STARTO社は、YC社が発信者情報開示などを通じて特定した人物のうち、多数の転売だけでなく会場内でのダフ屋行為まで行っていたとされる人物に対し、2,000万円超の損害賠償請求訴訟を提起したと発表しました。

その後、開示によって特定された出品者に対し、YC社代理人から和解の申入メールが順次送付されている状況です。チケジャムに対する1,589件の開示手続も進行しているとみられ、今後さらに多くの方にメールが届くことが予想されます。メールを無視すれば解決するという問題ではありません。

その上で、提示された金額にそのまま応じるか、交渉の余地があるかは、ご自身の転売の内容によって異なります。

和解金額について

金額は、あくまでYC社側が設定した和解の提示額です。裁判所がこの金額を認定したものではありません。

民事上の損害賠償は、転売行為によって主催者に生じた実際の損害に基づいて算定されるのが原則です。転売の件数、差額の大きさ、取引が成立したかどうか、出品の経緯など、個別の事情によって妥当な金額は異なり得ます。

一方で、STARTO社が2026年3月に悪質な事案で2,000万円超の訴訟を提起している事実が示すとおり、転売の態様が悪質な場合には、提示額以上の請求に発展する可能性もあります。

提示された金額が高いと感じたとしても、提示額が低すぎるとは限らないのと同様に、全てのケースで提示額が妥当とも限りません。重要なのは、ご自身の転売の具体的内容に照らして、その金額が法的に相当かどうかを冷静に検討することです。

「犯罪行為」という記載について

メールには「チケット不正転売禁止法違反という犯罪行為にも該当する」という趣旨の記載があります。同法上の「不正転売」が成立するためには、販売価格を超える価格で、業として(反復継続の意思をもって)転売するという要件を全て満たす必要があります。

定価以下で出品していた方、1回限りの出品で反復継続の意思がなかった方については、同法違反が成立しない余地があります。ただし、民事上の責任(営業権侵害を理由とする損害賠償請求)と刑事上の責任は別の問題であり、刑事罰の対象にならないからといって民事上の責任がないとは限りません。

また、STARTO社は対応姿勢に応じて法的措置の内容を変える旨を公表しています。和解の申入れに対してどのように対応するかは、刑事告訴のリスクも含めた総合的な判断が必要です。

弁護士に依頼するとどう変わるか

当事務所でチケット転売の和解交渉をお受けする場合、概ね以下の流れで対応します。

最初に、ご相談者の転売の内容を詳しく伺います。何の公演のチケットを何枚出品したか、出品価格と定価の差額、取引成立の有無、出品の経緯と動機。これらを正確に把握した上で、法的リスクの大きさと、妥当な和解金額の見通しをお伝えします。

率直に申し上げれば、転売の態様によっては、提示された金額での早期和解が最善の選択肢となるケースもあります。反復的な高額転売を行っていた場合や、訴訟に発展した場合の費用対効果を考えると、提示額での解決が合理的な場合もあるからです。

他方、定価以下での出品や少数枚の出品など、転売の実態に照らして提示額が不相当と考えられるケースでは、弁護士がYC社代理人との交渉を代行し、事案に即した適正な金額を主張します。

いずれの場合も、ご相談者が直接相手方とやり取りする必要はありません。交渉がまとまれば和解契約を締結し、解決となります。

転売行為には法的リスクが伴います。請求を受けた場合には、その金額の妥当性を含め、ご自身の事案に即した冷静な法的検討が必要です。

チケット転売対策は今後も拡大していく見込みです。

メールを受け取って対応に迷っている方は、まずはご相談ください。

和解金請求メールが届いた方はご相談ください

提示額の妥当性を検討し、事案に即した適切な交渉をサポートします

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